手軽に始められる編み物は、趣味としても人気の高いクラフト活動の一つです。しかし実際に取り組んでみると、思った以上に細かい作業や確認事項が多く、特に「段数の管理」や「目の位置の把握」は初心者にとって難関となりがちです。
そうした編み物の工程をスムーズにし、制作効率を上げてくれるのが『編み物マーカー』という便利な道具です。
近年では、こうしたマーカー類が100円ショップでも手軽に入手できるようになってきており、機能性とコストパフォーマンスの両面から注目を集めています。
セリア、ダイソー、キャンドゥなど各社から多種多様な商品が登場し、用途や好みに合わせて選べる点も魅力です。また、デザインも可愛らしく、使うだけで気分が上がるようなアイテムも豊富に揃っています。
この記事では、編み物初心者の方でもわかりやすいように、編み物マーカーの基礎知識から、100均マーカーの具体的な使い方、活用アイデア、さらには自作や代用品についてまで、幅広く紹介していきます。
編み物をより楽しく、効率的に進めるためのヒントが満載の内容となっていますので、ぜひ参考にしてみてください。
編み物マーカーとは
段数マーカーと目印リングの違い
編み物マーカーには主に2種類の基本的なタイプがあります。
ひとつは「段数マーカー」で、これは特定の段を記録するために使用されるツールです。一般的にはリング型やクリップ型が多く、特に輪編みや長編みなどの大きな作品で段数を管理する際に大変役立ちます。
もうひとつは「目印リング（ステッチマーカー）」で、これは目の増減や模様の切り替え位置、あるいは特定のパターンの区切りなどに使用され、編み図の通りに正確に編み進めたいときに便利です。
段数マーカーは数段ごとに印を付けておくことで、後からどこまで編んだか確認しやすくなる一方、目印リングは細かい位置を記録するために繰り返し外したり移動させたりすることが前提となっており、利便性においても使い分けが重要です。また、リング型だけでなくピン型やスナップ型のマーカーもあり、それぞれが持つ特性を理解することで、よりストレスの少ない編み物が可能になります。
段数を管理する
段数マーカーを特定の段に挿しておくことで、途中で段数を数え直す手間が省け、編み物中に発生しがちなミスを大幅に減らすことができます。
特に、同じ模様を繰り返すパターンや、数十段にわたって続く大判の作品、輪編みのように途切れのない構造の作品では、段数の記録が極めて重要です。
段数マーカーを使うことで、「今何段目だっけ？」という不安から解放され、安心して作業に集中できます。また、段数ごとに色を変えることで、見た目にも分かりやすく、作品の整理整頓にもつながります。
マーカーで迷わない
「どこで増し目したっけ？」「この辺りで減らした覚えがあるけれど…」そんな疑問を解消してくれるのが編み物マーカーです。
マーカーを使って目の増減の位置や模様の切り替えポイントに印をつけておけば、後から確認する際にとても便利です。特に複雑な模様編みや、途中で作業を中断せざるを得ない時などには、マーカーがあることで再開時にスムーズに流れを取り戻せます。
間違いに気づきやすくなるため、結果的に編み直しの手間も減らせるのが大きな利点です。
途中の進捗管理に
作品の進捗を可視化するために、マーカーを使って「10段ごと」「模様1セットごと」など一定間隔で目印をつけておくと便利です。
これにより、どこまで編んだかが一目でわかるようになり、作業の区切りをつける指標としても機能します。また、色分けされたマーカーを使えば、「この色は模様の切り替え」「この色は増減目」など、自分なりのルールで記録することも可能です。
さらに、目標段数に到達するごとに達成感を得られ、編み物を続けるモチベーションの維持にもつながります。特に長期プロジェクトやプレゼント用作品など、計画的に進めたいときにおすすめの活用方法です。
100均の編み物マーカー
100均マーカーの魅力
100均の編み物マーカーは、編み物を始めたばかりの初心者でも手軽に導入できるリーズナブルな価格設定が魅力です。
通常、専門店で販売されている編み物用具はそれなりの価格がするため、最初から道具を揃えることにためらいを感じる方も多いかもしれません。しかし100均なら、ほんの数百円で必要なマーカーを一通り揃えることができ、試しに使ってみたいというニーズにもぴったり応えてくれます。
さらに、使い方がシンプルで直感的に理解しやすく、商品によっては使い方の説明がパッケージに図解で載っていることもあるため、初心者でも安心して活用できます。
デザインも工夫されており、パステルカラーやポップな色合いのものが多く、使うだけで気分が上がるのも嬉しいポイントです。気軽に始められて、使いながらマーカーの重要性や使い勝手を学べるので、編み物の基礎を固める上でも非常に役立ちます。
コストパフォーマンス抜群
10～20個入りで110円という驚きの価格設定は、まさにコストパフォーマンスの極みです。
一般的な手芸専門店では、同様のマーカーが数倍の価格で販売されていることもあるため、100均アイテムは価格重視のユーザーにとって非常に魅力的な選択肢といえるでしょう。
しかも価格が安いだけでなく、素材の強度や形状の安定性にも配慮されており、繰り返し使用しても壊れにくい設計になっています。また、色分けされたセットが多く、用途に応じて色で使い分けがしやすいのも便利です。
例えば、増減目の位置には赤、模様の切り替えには青、といった具合に視覚的に情報を整理できるため、作業効率が格段に向上します。
さらに、マーカー以外にも段数カウンターや糸巻きなどの関連アイテムが100均には豊富に揃っており、必要なツールを一か所でまとめて揃えることができるのも大きなメリットです。
セリア、ダイソー、キャンドゥのおすすめマーカー
- セリア：スナップ型で外れにくく、色も可愛い。特にパステル系のカラーバリエーションが豊富で、作品に合わせてコーディネートが楽しめる点も魅力です。マグネット式やロック式のマーカーもあり、用途に応じて選べます。
- ダイソー：リングタイプで使い勝手が良い。軽量で滑りも良く、大きさの異なるリングがセットになっている商品もあり、糸の太さに応じて使い分けができます。また、パッケージに使い方のイラストが付いているものも多く、初心者にも安心です。
- キャンドゥ：ユニークな形のマーカーが揃う。ハート型や星型、動物モチーフのマーカーなど、個性を楽しめるラインナップが豊富で、ギフトにもぴったり。作品の雰囲気を演出するアクセントとしても活用できます。
100均マーカーの使い方
マーカーを使った編み物の基本
まずは段のはじめにマーカーを通すだけで、どこからどこまで編んだのかが明確になります。
特に長編みや模様編みなどでは、編み進めるごとに位置をマーカーで示すことで、段数やパターンの確認が非常に楽になります。また、マーカーをスライドさせながら進行状況を管理することで、途中で作業を中断しても、再開時に迷わず続きを編めるのが大きな利点です。
カラーマーカーを使えば、複数の位置や用途を視覚的に区別することができ、効率的な編み進めが可能になります。さらに、初心者が陥りがちな目飛ばしや目増減の見落としも、マーカーによって未然に防ぐことができます。
目印キーホルダーの活用
100均で手に入る小さなキーホルダーやナスカンは、実はマーカー代用品としても非常に優秀です。特にスナップタイプのナスカンは、糸にひっかけやすく、繰り返しの着脱が簡単で編み物の進行を邪魔しません。
さらに、カラフルでデザイン性の高いキーホルダーを選べば、機能性だけでなく見た目も楽しくなり、編み物へのモチベーションもアップします。持ち運びやすく、バッグやケースにまとめておける点も魅力で、自宅での作業はもちろん、外出先での編み物にもぴったりです。
万が一紛失しても、安価に手に入る点で精神的負担も少なく、日常使いに最適なアイテムです。
編み物教室でのマーカー活用
編み物教室では、講師が初心者に編み目の位置や増減目の場所を教える際に、マーカーを多用する場面が多く見られます。
たとえば、「模様の切り替えはこのマーカーまで編み進めてください」や「次の段の増し目は赤いマーカーの位置です」といった具体的な指示により、生徒が編み方を視覚的に理解しやすくなります。
また、失敗した箇所を一時的にマークしておけば、後で修正する際にも手間が省けます。さらに、色付きのマーカーを使って各段階の進行状況を示すことで、クラス全体のペース管理や進捗把握にも役立ちます。
初心者にとって、マーカーは編み物のナビゲーションツールとして非常に重要な存在です。
編み物マーカーの代用アイデア
日用品でマーカーを代用する
ヘアピン、ペーパークリップ、輪ゴムなど、家にあるもので編み物マーカーを代用することが可能です。これらのアイテムは手軽に入手でき、特別な道具がなくても代替品としてすぐに活用できる点が魅力です。
例えば、ヘアピンは細かい目に挿しやすく、特定の段数や目の位置をしっかり押さえるのに適しています。ペーパークリップは広い範囲を挟めるため、大きめの目印として便利で、輪ゴムは柔軟性があるためどんな太さの糸にもフィットしやすいです。
さらに、これらの代用品は色や形を工夫すれば自分好みにカスタマイズすることもでき、オリジナリティを追求したい方にもぴったりです。
手芸アイテムを活用する
刺繍糸やビーズストッパー、ブレスレット用の留め具など、他ジャンルの手芸用品も編み物マーカーとして優秀な代用品になります。
刺繍糸は柔らかく軽量で、目に通しても作品に影響を与えにくく、ビーズストッパーは小ぶりで装飾性にも優れており、目印としてだけでなくデザインのアクセントとしても活用可能です。
さらに、レジンパーツやチャームなどを組み合わせれば、よりファッショナブルで自分だけのオリジナルマーカーが完成します。色やサイズ、素材感にこだわることで、実用性と美しさを兼ね備えたツールへと昇華させることができます。
アクリル板やビーズで自作する
アクリルチャームと丸カンを組み合わせて、自作の編み物マーカーを作るのは非常に人気のあるアイデアです。
透明やカラフルなアクリルパーツは軽量で視認性が高く、編み物中でも邪魔になりません。さらに、好きな形や柄を選ぶことで、作品に合ったコーディネートが可能になります。
丸カンを使えば、糸に簡単に引っかけることができ、金具での着脱もスムーズに行えます。ビーズを組み合わせれば、まるでアクセサリーのような華やかさを演出でき、ギフトにも最適です。
自分用としてはもちろん、編み物仲間へのプレゼントとしても喜ばれることでしょう。
100均の編み物マーカーは、見た目の可愛さだけでなく、手頃な価格と実用性の高さが魅力のバランスの取れたアイテムです。
豊富なデザインとカラーバリエーションにより、作品に合わせてマーカーを選ぶ楽しさも広がります。編み物をもっと便利に、もっと楽しく、そして効率的に進めるためのサポートアイテムとして、ぜひ一度試してみる価値があります。
どのレベルの編み手にとっても、段数管理や目印の補助としてマーカーは非常に役立ち、初心者には迷わず進める安心感を、上級者には作業効率の向上をもたらします。また、自作や代用品と組み合わせれば、さらにオリジナリティのある編み物ライフを楽しむことも可能です。
ぜひ100均の手芸コーナーをのぞいて、あなたのお気に入りのマーカーを見つけてください。
